*中国の武将、岳飛[第33歩・曇]

今回は岳飛(がくひ)についてです。
<中国の歴史に興味のない方もお付き合いを願います>


岳飛(1103-1141)南宋の武将で
北方の異民族である女真族の金(きん)と闘った。
救国の英雄と讃えられ
時の皇帝高宗(こうそう)「誠忠の者」ととして信任された。
農民出身であるが学問もあり文武両道の勇将であった。
その軍は規律正しく、住民に慕われたと云う。


宋(そう)は元々文官優位の国であったが、金軍と闘ううちに
南宋の軍隊も次第に強くなってきた。
そのなかでも
岳飛の軍隊はとりわけ強かったらしい。


岳飛は、金軍に対し優位に戦いを進めているときに
時の宰相、秦檜(しんかい、1090-1155)によって
無実の罪で投獄されてしまう。
そして謀反の罪をかぶせられ処刑されてしまうのである。



日本でもそうだが


主君に忠義を尽し
戦闘に強く
悲劇的に死ぬ


そんな武将は英雄とされ人気がある。
たとえば源義経楠木正成真田幸村・・


中国の建国の創始者はみな少なからず悪い事をやっている。
にもかかわらず大帝国の創始者ほど美化されている。
半面、国が滅んだ時の皇帝はきわめて評価が悪い。
だから歴史といっても人物(特に創始者)の評価はあてにならない。


その点岳飛は解りやすい人物である。
そして中国人に一番人気のある英雄である。
一方日本ではあまり知られていない。
非常に興味深い人物です。


H22/07/19井原山のヤマアジサイ