一雨降って涼しくなりました。
寝苦しい夜ももうすぐ終わりそうです。
宮本昌孝(みやもとまさたか)の「ふたり道三」上中下3巻読了。
読むのに随分時間がかかってしまった。
でも面白かった。
斉藤道三(さいとうどうさん)は中世末期の美濃国の覇者である。
道三は実は親子2代であったというのが今の定説だそうである。
それを基にして作られているのがこの小説だが
宮本昌孝は
史実に大いにフィクションを混じえ壮大な伝奇小説に仕立てている。
彼は作品「剣豪将軍義輝」でも
室町幕府13代将軍である足利義輝の剣士として成長する姿を爽やかに描いた。
現実に将軍が一人で剣術の武者修行に励むはずがないけれども
この小説も面白かった。
彼の歴史・時代小説は史実を踏まえながらも変化球で投げ込んでくる。
読むに当たってはある程度歴史知識があったほうが楽しい。
その他に「藩校早春賦」や「夏雲あがれ」などの青春時代小説も書いているが
読後感が爽やかな点は、既存の時代小説と一味違うものを持っている。
ミントもこれからの作品を楽しみにしている。