*田中芳樹[第90歩・曇]

日本は四季がはっきりしています。
でも最近は春、夏、真夏、夏、秋、冬の六季だと
誰かが云っていました。
暑いのは嫌いじゃないけど
春や秋の良い季節が短くなってる気がします。


あまり無いことだが
本によっては読み直すことがある。


特に歴史小説がそうである。
歴史小説は、時代背景や人物像がある程度つかめていないと
面白さを感じるゆとりを持てない。
まるで歴史の勉強である。
しかし2度3度と繰り返し読むことにより内容の理解が深まり
だんだん面白くなってゆく。


今回2度目を読んだのは
田中芳樹(たなかよしき)の奔流(ほんりゅう)である。


田中芳樹という作家はSFやファンタジー、ミステリー、歴史小説
幅広いジャンルの作家である。
中国の歴史小説もいくつか書いているが
南北朝から南宋までの作品が多く
岳飛(がくひ)などあまり日本では有名でない人物を描いている。


「奔流」は南北朝時代北魏(ほくぎ)と梁(りょう)との戦いを描いたものだ。
西暦507年、淮河(わいが)の畔で錘離(しょうり)の戦いがあった。 
北魏の大軍80万人を梁軍20万人がいかに迎え討ったのか?
国史上最大級の会戦である。
ちなみに三国志で有名な赤壁の戦いは、曹操軍24万人、孫権劉備軍5万人なので
この合戦がいかにスケールの大きいものであったかが分かる。


最初にこの本を読んだのは随分以前のことである。
なじみが無い時代でもあり、その時はあまり印象に残らなかった。
しかし今回は読み直してみて面白いと思った。


文章も読み易いし若い感性で描かれている。
田中芳樹歴史小説はお薦めです。


馬見山から屏山への縦走路