*ミントの読書歴その18[第120歩・晴]

前回の山歩きは今年49回目でした。
目標50回は達成できそうです。

山登り一覧221214新.xls 直


読書歴(その18)


白石一郎(しらいしいちろう、1931-2004)について
彼は壱岐出身で海洋時代小説の作家である。
海洋時代小説というジャンルが珍しい。
読み出したのはこの5・6年前からだろうか。
まだ一部の作品しか読んでいない。


「海狼伝(かいろうでん)」
対馬出身の笛太郎が海賊として成長してゆく青春小説。
直木賞受賞作品である。
海賊の生き様が興味深い。


「銭の城」
永禄年間、壱岐出身の右近が博多で商才をあらわしやがて成功をおさめる。
気軽に読めた。


「航海者〜三浦按針の生涯〜」
日本に漂着した英国人、イリアム・アダムスの生涯を描く。
彼は徳川家康に仕え、参謀として大いに活躍するが
家康の死とともに運命が変転してゆく。
面白く、そして少し切ない歴史小説である。


十時半睡事件帖(とときはんすいじけんちょう)」
海とは無関係の小説。
江戸時代後期、福岡黒田藩の名物総目付である十時半睡の周りに起こる
事件や日常の出来事を描く。
シリーズ(連作)であり、ついつい読み進んでしまう。
登場人物の藩士の姿は、現代サラリーマンにも通じるものが多い。
作者の死去により完結していない。
もっと読みたかった。
「包丁ざむらい」
「観音妖女」
「刀」
「犬を飼う武士」
「出世長屋」
「おんな舟」
東海道をゆく」(絶筆)


「横浜異人館事件帖」
維新前夜、開港間もない横浜が舞台。
岡っ引き卯之助の事件帖。
異国情緒豊かで面白い。
この本と「生きのびる」の2冊で完結しているようだ。


今後、他の作品も読むつもりです。
地元の作家であり親しみがあります。
なお、息子の白石一文(しらいしかずふみ)氏も今年、直木賞を受賞しています。
親子二代での受賞は初めてではないでしょうか。
 


                   その19へ続く


叶岳展望所より