*ミントの読書歴その20[第123歩・雪]

ミントは猫なので雪は好きではありません。
したがって雪山はパスです。


ミントの読書歴(その20)
 

新田次郎(にったじろう、1912-1980)について。
この作家も一部しか読んでいない。
作家になる前は、中央気象台の職員だった。
富士山観測所に勤務経験がある。


「富士山頂」
彼は、1963-1965年に富士山気象レーダー建設にも携わっているが
その体験にもとづき書かれた小説である。
使命に燃えて建設現場で取り組む作業員の姿は美しい。
この作品は1970年に映画化された。主演は石原裕次郎だった。


なお新田次郎とは無関係だが
建設事業にかかわる映画は、それまでヒットした
黒部の太陽(1968年上映、黒部ダム)」
「超高層のあけぼの(1969年上映、霞ヶ関ビル)」
からの流れであり
のちの「海峡(1982年上映、青函トンネル)」などにつながっている。


芙蓉の人(ふようのひと)」
大学時代に読んだと思う。
主人公は野中千恵子(のなかちえこ、1871-1923)
夫は気象学者の野中到(のなかいたる、1867-1955)
ともに福岡県出身であり実在の人物である。
到は明治28年(1895年)2月、前人未到の富士山冬期単独登頂に成功する。
彼は富士山山頂での高層気象観測が非常に重要と考えていた。
その秋から一人で越冬予定での気象観測を始めたが
夫の身を案じた千恵子は10月中旬、周囲の反対を押し切って登頂する。
そして二人で助け合いながら、厳冬期の富士山頂での気象観測を始めるのである。
高山病に悩まされ、厳しい寒さに耐えながら、1日12回、2時間おきの観測であった。
感動的な実話に基づく小説である。
「富士山頂」とあわせて読むと興味深いと思う。
お薦めの本です。


孤高の人
今年読んだ小説。
実在の単独登山家、加藤文太郎(かとうぶんたろう、1905-1936)を描いた。
人はなぜ山に登るのか、を改めて問い直す作品である。



「銀嶺の人(ぎんれいのひと)」

これも今年読んだ。
モデルは二人の女性登山家。
ヨーロッパアルプス三大北壁登頂の今井通子(いまいみちこ)
マッターホルンを女性だけのパーティーで初登頂した若山美子(わかやまよしこ)
ちなみに
ヨーロッパアルプスの三大北壁はマッターホルン、アイガー、グランドジョラス。
登頂がいかに困難であるかが読んで分かった。


なおミントは読んでいないが
八甲田山死の彷徨」は映画「八甲田山」で観た。
ほかに
「アラスカ物語」
剱岳 点の記」などが映画化されている。


ところで映画「剱岳」の影響だろうか?
登山専門誌「山と渓谷」によると
昨年2009年の総登山者数は1230万人で史上最高だそうだ。
すごい数である。


ミントが読んだのは山岳小説ばかりだが、本人は山岳小説家と呼ばれるのを嫌っていたらしい。
実際、武田信玄」「武田勝頼」「新田義貞などの歴史小説も書いている。
だから歴史小説作家とも言える。
長野県諏訪市出身なので武田氏に特に愛着と関心があったのだろうか。


                       その21へ続く


作礼山(写真はマロンさんより借用しました)