*ミントの読書歴その27[第135歩・晴]

今日は阪神大震災があった1月17日。
ミントも16年前神戸で震災に遭いました。
犠牲者のご冥福をお祈りします。


ミントの読書歴(その27)


島田荘司(しまだそうじ、1948-)について


新本格」ミステリーの祖。
綾辻行人歌野晶午などを世に出したと言われている。
殺人に使われるトリックは大胆で奇想天外であるが、一方で人間が良く描かれている。
ミントの好きな作家である。
長編は8割方読んだと思う。


横溝正史を思わせる猟奇性を持つ本格ミステリーや
西村京太郎のような鉄道ミステリー
松本清張のような社会派ミステリー
気軽に読めるユーモアミステリーも書いている。
全部お薦めと言いたいが、特にお薦めは次の通り。


御手洗潔(みたらいきよし)シリーズ』


占星術殺人事件」(1981年)
デビュー作品。
初めて読んだのは、多分、ミントが神戸に住んでいた頃だろう。
横浜に住む占星術師が御手洗潔
友人の石岡和己(いしおかかずみ)とともに難事件を解決、といえば簡単だが
腰を抜かすようなトリックである。


「斜め屋敷の犯罪」(1982年)
御手洗潔の非常に変わった性格が、余すところなく発揮された作品。
このキャラクター、京極夏彦の「榎木津礼二郎」にも影響を与えているかも知れない。
腰を抜かすようなトリックである。


暗闇坂の人喰いの木」(1990年)
御手洗潔の恋人?レオナが登場する。
腰を抜かすようなトリックである。


「龍臥亭事件」(りょうがていじけん、1996年)
石岡和己が独り立ちして事件を解決する。
石岡の恋人?犬坊里美(いぬぼうさとみ)が登場する。


御手洗潔は後になると、性格が比較的まともになってゆく。
少し残念だが、加齢とともに変化してゆくということだろう。


『吉敷竹史(よしきたけし)シリーズ』
刑事にしては珍しくハンサムなキャラクター。
最初は鉄道の時刻表トリックのミステリーもあるが
次第に社会派ミステリーに変容してゆく。


「北の夕鶴2/3の殺人」(1985年)
吉敷竹史の別れた妻、加納通子(かのうみちこ)が登場する。
腰を抜かすようなトリックである。


「奇想、天を動かす」(1989年)
社会派ミステリー。
腰を抜かすようなトリックである。


「涙流れるままに」(1999年)
前にも述べたが冤罪をテーマにしている。
ミステリーとしても秀逸。
そして感動の作品である。


実は「御手洗」と「吉敷」シリーズは、登場人物が相互に関連している。
発表順に読むのが望ましいと思う。
腰を抜かさないように。


あとお薦めの作品が


「ひらけ!勝鬨橋(かちどきばし)」(1987年)
ミステリーではないが、面白く楽しい作品である。


作者は、登場人物に愛着があるようです。
登場人物が年を取っても放っておけないのでしょう。
きちんと後まで孤独にならぬようフォローしています。
だからでしょうか。登場人物にも
ミタラニアンとか、カズミストとかのファンが多いらしいです。


                           その28へ続く


飯盛山(H22/12/12)