*ミントの読書歴その32[第143歩・晴]


「関取、会心の相撲でしたね。作戦通りですか?」
「いえ、打ち合わせ通りです」
あーどすこい。どすこい。


ミントの読書歴(その32)


森博嗣(もりひろし、1957-)について


理系ミステリィと評されている。
森博嗣が作家デビューしたときは国立N大学助教授であった。
作品の舞台が那古野市(名古屋市?)なので、多分愛知県のあの大学だろう。
1996年に「すべてがFになる」で衝撃の登場。
現在は大学を退職しているらしい。
建築学専攻の工学博士である。


ミントは4、5年前から読んでいる。
理屈っぽいといえば理屈っぽい作品。
ミントは面白いと思うが、人のよっては好みがはっきり分かれるかも知れない。
ただ間違いなく言えるのは、綿密に構成された作品だということである。
伏線がさりげなく計算されてちりばめられており、あとで驚くことになる。
トリックも意外性があり、謎解きは非常に論理的。
個々にコメントするのは控える。


『S&Mシリーズ』


以下の10冊である。
「すべてがFになる」
冷たい密室と博士たち
笑わない数学者
詩的私的ジャック
封印再度
幻惑の死と使途
夏のレプリカ
「今はもうない」
数奇にして模型
有限と微小のパン


犀川創平(さいかわそうへい)西之園萌絵(にしのそのもえ)真賀田四季(まがたしき)が登場する。
これらの人物はのちのVシリーズや四季シリーズ、Gシリーズにもかかわってくる。
不可解な殺人事件を創平と萌絵(S&M)が解決する。
大学や研究所が舞台になることが多い。


『Vシリーズ』


以下の10冊である。
黒猫の三角
人形式モナリザ
月は幽咽のデバイス
夢・出逢い・魔性
魔剣天翔
恋恋蓮歩の演習
六人の超音波科学者
捩れ屋敷の利鈍
朽ちる散る落ちる
赤緑黒白


瀬在丸紅子(せざいまるべにこ)が主役。なので紅子でVシリーズ。
ほかに保呂草潤平(ほろくさじゅんぺい)、小鳥遊練無(たかなしねりな)、香具山紫子(かぐやまむらさきこ)など珍しい名前の人物が出てくる。
鷹(たか)がいないから小鳥が遊ぶのだろうが、こんな名前本当にあるのかな?
タイトルも遊び心がいっぱいである。
夢・出逢い・魔性」は「夢で会いましょう」の、
魔剣天翔」は「魔界転生」のもじりだろうし
S&Mシリーズの「数奇にして模型」は「好きにしてもOK」だろう。
事件の舞台はS&Mシリーズと異なり、大学や研究室に限らない。
ミントはどちらかというと、S&Mシリーズよりこちらが好みである。


先に述べたように、登場人物は作品と相互に関連しているので
S&MシリーズからVシリーズへ、また作品の発表順に読むことを強くお薦めする。
まずは「すべてがFになる」からどうぞ。


このあと
『四季シリーズ』・『Gシリーズ』と続くが、まだ読んでいない。


次回からは冒険小説です。


                                   その33へ続く



叶岳からの眺め