「関取、会心の相撲でしたね。作戦通りですか?」
「いえ、打ち合わせ通りです」
あーどすこい。どすこい。
ミントの読書歴(その32)
森博嗣(もりひろし、1957-)について
理系ミステリィと評されている。
森博嗣が作家デビューしたときは国立N大学助教授であった。
作品の舞台が那古野市(名古屋市?)なので、多分愛知県のあの大学だろう。
1996年に「すべてがFになる」で衝撃の登場。
現在は大学を退職しているらしい。
建築学専攻の工学博士である。
ミントは4、5年前から読んでいる。
理屈っぽいといえば理屈っぽい作品。
ミントは面白いと思うが、人のよっては好みがはっきり分かれるかも知れない。
ただ間違いなく言えるのは、綿密に構成された作品だということである。
伏線がさりげなく計算されてちりばめられており、あとで驚くことになる。
トリックも意外性があり、謎解きは非常に論理的。
個々にコメントするのは控える。
『S&Mシリーズ』
以下の10冊である。
「すべてがFになる」
「冷たい密室と博士たち」
「笑わない数学者」
「詩的私的ジャック」
「封印再度」
「幻惑の死と使途」
「夏のレプリカ」
「今はもうない」
「数奇にして模型」
「有限と微小のパン」
犀川創平(さいかわそうへい)と西之園萌絵(にしのそのもえ)、真賀田四季(まがたしき)が登場する。
これらの人物はのちのVシリーズや四季シリーズ、Gシリーズにもかかわってくる。
不可解な殺人事件を創平と萌絵(S&M)が解決する。
大学や研究所が舞台になることが多い。
『Vシリーズ』
以下の10冊である。
「黒猫の三角」
「人形式モナリザ」
「月は幽咽のデバイス」
「夢・出逢い・魔性」
「魔剣天翔」
「恋恋蓮歩の演習」
「六人の超音波科学者」
「捩れ屋敷の利鈍」
「朽ちる散る落ちる」
「赤緑黒白」
瀬在丸紅子(せざいまるべにこ)が主役。なので紅子でVシリーズ。
ほかに保呂草潤平(ほろくさじゅんぺい)、小鳥遊練無(たかなしねりな)、香具山紫子(かぐやまむらさきこ)など珍しい名前の人物が出てくる。
鷹(たか)がいないから小鳥が遊ぶのだろうが、こんな名前本当にあるのかな?
タイトルも遊び心がいっぱいである。
「夢・出逢い・魔性」は「夢で会いましょう」の、
「魔剣天翔」は「魔界転生」のもじりだろうし
S&Mシリーズの「数奇にして模型」は「好きにしてもOK」だろう。
事件の舞台はS&Mシリーズと異なり、大学や研究室に限らない。
ミントはどちらかというと、S&Mシリーズよりこちらが好みである。
先に述べたように、登場人物は作品と相互に関連しているので
S&MシリーズからVシリーズへ、また作品の発表順に読むことを強くお薦めする。
まずは「すべてがFになる」からどうぞ。
このあと
『四季シリーズ』・『Gシリーズ』と続くが、まだ読んでいない。
次回からは冒険小説です。
その33へ続く