*ミントの人物伝その63[第469歩]

人物伝以前に記載した分の手直しです。

大河ドラマで取り上げられてますね。
格好いい武士です。


ミントの人物伝(その63)


母里太兵衛(もりたへえ、1556〜1615?)
黒田家の家臣。武将。


黒田如水、長政に仕えた勇将で
「黒田二十四騎」のなかの「黒田八虎」の一人に数えられた。
のちに筑前鷹取城(ちくぜんたかとりじょう)1万8000石を拝領。
合戦で生涯に挙げた首級数は76で藩内最高という。
性格は豪放で大の酒好きであった。


文禄・慶長の役の時期らしい。
太兵衛は主君の長政から福島正則(ふくしままさのり)のもとに使いに行くよう命じられた。

長政は
この二人が顔を合わせると必ず酒席になるに違いない
すると太兵衛は使いの役目を十分に果たせないかもしれぬ

と考え
酒を飲まないよう厳命した。

太兵衛は正則の屋敷に行き、使いの役目を無事に果たしたが
すでに飲んでいた正則は案の定(あんのじょう)太兵衛に酒を勧めた。

太兵衛は断る。
飲め、飲めない、のやりとりは
次第にエスカレートしてゆく。
いつの時代も酔っぱらいは人に飲ませたがるものです。

「そなたがこの大杯で見事に飲み干したら何でも望みのものをとらせよう」

「ありがたいお言葉ですが、主命でございますので」

「有名な母里でさえ酒に後ろをみせるとは、さても黒田家は腰抜け侍ばかりだ」

太兵衛カチンときた。もともと激しい性格だ。
黒田家の悪口だけは耐えられない。

「本当に何でもいただけるのでござるか」

「おう、よいとも」

「では日本号(ひのもとごう)をいただきたい」
日本号というのは大槍のことで、この座敷に飾られていたものである。

太兵衛はそう言うと
直径一尺ある大杯に酒を注いでもらい、立て続けに3杯飲み干してしまった!

正則、あ然ぼう然。

「お約束通り日本号を頂戴いたす」
太兵衛はそういって大槍を持ち、馬に乗ってゆうゆうと帰って行った。

秀吉からの大事な拝領品だった日本号
正則、後悔したが後の祭りである。


この話、史実らしい。
ちなみに日本号福岡市博物館に実物が展示されている。
柄が螺鈿細工(らでんざいく)のとても立派なものだ。

太兵衛は豪快な黒田武士よと称えられ
現在の「黒田節(くろだぶし)」に謡われている。


画像はWikipediaから借用いたしました。



[平成25年の記録]
 http://d.hatena.ne.jp/mint0606/20131231


[平成24年の記録]
 http://d.hatena.ne.jp/mint0606/20121230


[平成23年の記録]
 http://d.hatena.ne.jp/mint0606/20111231


[平成22年の記録]
 http://d.hatena.ne.jp/mint0606/20111230



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