読書感想〔第521歩〕

先日NHKの深夜ラジオで
日本飛行連盟名誉会長である高橋淳さんの声が流れていました。

***最近読んだ本***


「闘神ー伊達順之助伝ー」(胡桃沢耕史
伊達順之助(1892〜1948)は実在の人物。
戦国時代の奥州の雄、伊達政宗嫡流である宇和島伊達家に生まれた。
ところがこの男、名家のおとなしい坊ちゃんではなかった。
子供の頃からいたずら、喧嘩に明け暮れた。しかし正義感は強かった。
18歳のとき友人をかばって殺人を犯し、日本に居づらくなりやがて中国に渡る。
匪賊との闘いで名を馳せ、張作霖の部下となり、やがて満州国の将軍となる。
しかし終戦となったとき、彼には過酷な運命が待っていた。
今でも彼は馬賊の棟梁になったのだと誤解されている面があるらしい。
だが、現実は異なっていたことがこの本を読んでよく分かる。
快男子、順之助の生涯はロマンに満ちている。


「吉宗と宗春」(海音寺潮五郎
吉宗とは徳川の八代将軍であり享保の改革で有名だ。
ただこの享保の改革はあくまで幕府側に立ったものであり
決して庶民の暮らしが楽になったわけではなかった。
質素倹約を前面に押し出したので、消費が低迷し景気は悪くなっていった。
そんな時代に、尾張名古屋でひとり気を吐いたのが徳川宗春(むねはる)だ。
彼は御三家筆頭、尾州の当主であるにもかかわらず、吉宗の政策に疑問を持つ。
彼は質素倹約ばかりでは世の中に金が流通しないぞ、とばかりに
祭りを奨励、芝居小屋を設置し、また遊郭を公認する。
その結果、名古屋は人口が増え景気が良くなったという。
宗春に庶民は喝采を送ったが、吉宗は面白くない。
その行いがことごとく自分の政策と相反しているから当然である。
二人の反目の決着はいかに?
昭和14年の作品だが、今読んでも新鮮だし面白かった。


老いは生のさなかにあり」(津本陽
若くして成功した人間は、最後は晩節を汚さずとばかりに保守を決め込むことは多い。
この作品は戦国武将から現代の相場師まで、老年に至ってもなお
若々しい進取の気魂を失わなかった12人の人物をとり上げている。

徳川家康
是川銀蔵
毛利元就
親鸞
北条早雲
柳生石舟斎
大久保彦左衛門
松下幸之助
東郷重位
勝海舟
丹羽長秀
豊臣秀吉

初老のミントも読んでいて元気の出てくる本だった。




操縦の神様と呼ばれる人です。
戦時中は一式陸攻に搭乗し、幾度となく出撃しましたが
周りがほとんど撃墜される中、巧みな操縦で見事に生き残りました。
戦後は民間航空会社で勤務、教官として数多くのパイロットを育てました。
現在は91歳ですが現役パイロットであり、今でも週に一回は飛行をしているといいます。
まさに「老いは生のさなかにあり」ですね。


5月、一ノ峯


[平成25年の記録]
 http://d.hatena.ne.jp/mint0606/20131231


[平成24年の記録]
 http://d.hatena.ne.jp/mint0606/20121230


[平成23年の記録]
 http://d.hatena.ne.jp/mint0606/20111231


[平成22年の記録]
 http://d.hatena.ne.jp/mint0606/20111230



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