今回は歴史小説中心になりました。
***最近読んだ本***
前田慶次郎利太(としたか)は前田利家の甥であるが、
奇矯な性格で自由気まま、風流な人生を送ったらしい。
隆慶一郎の「一夢庵風流記」で有名になったが、謎が多い人物でもある。
上杉景勝との交流が中心であり、直江兼次との友情は描かれていない。
『朝廷』を『朝庭』と表示されるなど、誤字が多い珍しい本だった。
「翳りゆく夏」(赤井三尋、あかいみひろ)
誘拐事件をテーマにした小説。
最後まで真相が読めなかった。一気に読んでしまった。
物を見て写真のように記憶に取り込むことが出来る杉野(東西新聞)社長など、
個性的で魅力あふれる人物が多く出てくる。
ちなみにこの能力は『直感像素質』というらしい。
そういえば学生時代にいたなあ。こぼれた麻雀牌を簡単に覚えていた友人が。
源義経は平泉で死んだのではなく、大陸に渡って成吉思汗(チンギス・ハーン)に
なったという大陸伝説がある。
その夢のある伝説を踏まえて書かれたのがこの本。
それまでの源平合戦や、頼朝・義経の確執なども分かりやすく描かれている。
ただ一か所も義経自身が語る場面がない。
これは意外だった。
「尼子経久」(中村整史朗、なかむらせいしろう)
尼子経久と書いて「あまごつねひさ」と呼ぶ。ニゴるのが正解。
経久は室町時代における出雲地方の守護代で、大内義興・義隆らと戦うが
人間的魅力と用兵の巧みさで、ついには中国地方11か国の覇者に登りつめる。
その勢いに毛利元就も一時は従属したほどだった。
だが晩年には毛利との戦いに敗れ、彼の没後、尼子氏は次第に衰退してゆく。
この本は、経久以降の尼子氏衰亡についても書かれており
最後に出てくる山中鹿之介の奮戦の様子が興味深い。
この週末は少し遠方の山に行きたいところですが
さてどうなりますか?
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