読書感想〔第638歩〕


今回は歴史小説中心になりました。


***最近読んだ本***


「戦国風流 前田慶次郎」(村上元三、むらかみげんぞう)

前田慶次郎利太(としたか)は前田利家の甥であるが、
奇矯な性格で自由気まま、風流な人生を送ったらしい。
隆慶一郎の「一夢庵風流記」で有名になったが、謎が多い人物でもある。
上杉景勝との交流が中心であり、直江兼次との友情は描かれていない。
『朝廷』を『朝庭』と表示されるなど、誤字が多い珍しい本だった。


「翳りゆく夏」(赤井三尋、あかいみひろ)

誘拐事件をテーマにした小説。
最後まで真相が読めなかった。一気に読んでしまった。
物を見て写真のように記憶に取り込むことが出来る杉野(東西新聞)社長など、
個性的で魅力あふれる人物が多く出てくる。
ちなみにこの能力は『直感像素質』というらしい。
そういえば学生時代にいたなあ。こぼれた麻雀牌を簡単に覚えていた友人が。


「消えた義経」(中津文彦、なかつふみひこ)

源義経は平泉で死んだのではなく、大陸に渡って成吉思汗(チンギス・ハーン)に
なったという大陸伝説がある。
その夢のある伝説を踏まえて書かれたのがこの本。
それまでの源平合戦や、頼朝・義経の確執なども分かりやすく描かれている。
ただ一か所も義経自身が語る場面がない。
これは意外だった。


尼子経久」(中村整史朗、なかむらせいしろう)

尼子経久と書いて「あまごつねひさ」と呼ぶ。ニゴるのが正解。
経久は室町時代における出雲地方の守護代で、大内義興・義隆らと戦うが
人間的魅力と用兵の巧みさで、ついには中国地方11か国の覇者に登りつめる。
その勢いに毛利元就も一時は従属したほどだった。
だが晩年には毛利との戦いに敗れ、彼の没後、尼子氏は次第に衰退してゆく。
この本は、経久以降の尼子氏衰亡についても書かれており
最後に出てくる山中鹿之介の奮戦の様子が興味深い。




この週末は少し遠方の山に行きたいところですが
さてどうなりますか?


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