読書感想〔第728歩〕


長編を読んでました。
ようやく読書感想です。


***最近読んだ本***


三国志 13巻」(北方謙三、きたがたけんぞう)

小学生の時抄訳版を、学生時代に吉川英治三国志を読んだ。
また社会人になって漫画の横山光輝三国志も読んでいるが
北方謙三三国志は、それらと全く異なっている。

人物の描き方がいいのだ。
もともと三国志には多くの人物が登場するのだが
主だった登場人物がじつに魅力的である。
ちょっと列挙してみると・・

劉備・・蜀の帝。漢王室の復興に情熱を持ち人に好かれる。
    非常に人間臭い面もある。
曹操・・魏の実質的な建国者。冷徹で果断。
    死に際した描写は印象的。
孫権・・呉の帝。冷静・慎重で思慮深い。
関羽・・義侠心あふれる豪傑。後年関帝廟の神として祀られる。
張飛・・従来本では乱暴で短気者とされていたが、
    この小説では優れた将軍として描かれている。
趙雲・・関羽張飛亡きあと蜀を背負う将軍となる。
    忠義心あふれる武将。
呂布・・残虐さもあるが純粋な心を持つ。
    この本を読んで好きになる人がいるかもしれない。
周瑜・・赤壁曹操を打ち破る呉の英傑。
    従来本に描かれているように、孔明と較べられ
    揶揄されるような人物では決してない。
陸遜・・周瑜の後を継ぎ、苦悩しながら成長してゆく呉の名将。
    関羽の仇討ちに執念を燃やす劉備を打ち破る。
曹丕・・曹操の長子。魏の初代皇帝。
    冷めた眼を持つが、民政が得意で戦争は下手。
司馬懿仲達・・曹丕とその子曹叡に仕える魏の将軍。
    非常に有能で、時局を見極め出世してゆくが、
    フクロウのような不気味な雰囲気も持つ。
    孔明のライバルであり、
    のちの晋の帝、司馬炎の祖父でもある。
諸葛亮孔明・・言わずと知れた蜀の軍師。
    従来本では天才的軍師とされていたが、
    この本の中では神がかり的な采配などない。
    敗戦の責任を負って苦悩する場面すらある。

この本には世の人々の縮図があると感じた。

なお興味を持った人物が一人いる。
それは魏の将軍、張遼
関羽と親交があったようだし
戦闘ではほとんど負けなかったらしい。

もちろん小説なのでフィクションも入っている。
たとえば馬超の後半生はかなりの創作だろう。
それはそれで作品に深みを持たせている。

また騎馬戦の迫力は「北方水滸伝」と同様で圧巻である。
読み終わっての感想は
やっぱり北方謙三は面白い!ということに尽きた。



長編を読むと時間がかかるので
読書感想がなかなか書けなくなりますね。


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