ミントの人物伝100②〔第961歩〕

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理論科学者はうらやましがられるような存在ではありません。

なぜなら自然界は無情なもので、なかなか研究に対する裁断を

下してくれないからです。<アインシュタイン

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 アルバート・アインシュタイン

 

1905年、この年は「奇跡の年」とも呼ばれている。 

26歳のアルバートは三つの論文を発表した。

 

・「発見的見地から見た光の発生と変換」

・「分子の大きさの新しい決定法」

そして博士号を取得すべく大学に提出したのが

・「運動している物体の電気力学について」

であり、

これこそが特殊相対性理論を展開している論文だった。

 

しかし内容が大学側に受け入れられなかったため、

急遽かわりに「分子の大きさの新しい決定法」を提出し、

受理された。

この論文はのちに「ブラウン運動の理論」に発展している。

 

ここで特殊相対性理論についてごく簡単に述べてみると

 

1.時間は見る人によって、ゆっくり進んだり

  早く進んだりする相対的なものである。

2.そして空間もまた、伸びたり縮んだりする

  相対的なものである。

そして、速度を変えず、ひたすら同じ方向に動いている

ふたつの物体をくらべたとき、

A.早く動くものほど時間はゆっくりと進む。

B.ものは運動の方向に向かってちぢむ。

C.早く動くほど、ものは重さを増す。

D.しかし、どれだけ動きが早くなっても、動いている

      本人には そのことが分からない。

 

彼はこの宇宙において、光を唯一の絶対的基準とした。

その上でこの学説を導きだしたのだった。

 

特殊相対性理論は、当初は周囲の理解を得られなかった。

だが、マックス・ブランクの支持を得たことにより、次第に

物理学界に受け入れられるようになった

  

1906年、特許局の2級技術専門職へ昇進。

年俸も上がったが、アルバートはこの先、学者として

研究を続けてゆくことを決意していた。

 

1907年、有名な方程式E=mc²」を発表。

E:エネルギーの総量 

m:質量

c:光の速さ

 

光の速さは秒速30万kmであり不変である。

ということはエネルギーの総量=質量となり

1gの物質は理論上、2万トンのTNT火薬の爆発力を

持つことになるだろう

 

アルバートの意図せぬことだったが、これはのちの

原子爆弾基礎理論にもなった方程式だった。

 

ある日のことだった。

自由落下する人は自分の重さを感じることがないはずだ。

 ならば重力もまた相対的なものではないか?」

という、のちの一般相対性理論基礎となるアイディアを

考案する。

  

1909年、アルバートは特許局に辞表を提出。

すでに有名になっていた彼は、各大学から勧誘が殺到、

ひっぱりだことなる。

 

同年、母校であるチューリッヒ工科大学助教授となる。

助教授の席がひとつ空いた時、それを譲ってくれたのは

大学時代の友人アドラーだった。

 

以降はアインシュタイン(博士)と呼ぼう。 

 

1910年、次男エドワルドが誕生。

1911年 、プラハ大学の教授となる。

同年、第一回ソルベー会議が開催され、アインシュタイン

この会議に招待された。

 

ソルベー会議は世界一流の物理学者が招かれる懇親会である。

これに出席することは大変な名誉とされているが、

アインシュタインは32歳の若さで招かれたのだった。

ここで彼はマリー・キュリーポアンカレらと

親交を結んだ。 

マリーは、アインシュタインチューリッヒ工科大学

正教授ではないことを聞いて、推薦状を書いてくれた。

 

マリー・キュリー

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そのこともあってアインシュタイン

1912年、チューリッヒ工科大学の教授に就任する。

 

ーかつて助手にもなれなかったわたしが教授とはねー

 

同大学には友人グロスマンが、教授として在籍していた。

旧交を温めた二人は、ともに相対性理論の研究を深めてゆく。

 

アインシュタインの講義はとても学生に人気があったという。 

 

1913年、プロシア科学アカデミーの会員となり、

またベルリン大学教授にも推薦される。 

このときにふたたびドイツ国籍を取得した。

 

アインシュタインはベルリンに移住した。

あいかわらず大変な有名人だった彼は

こんなことを発言している。

 

「かつては権威を否定していた私だったが

 いつのまにか私自身が権威になってしまった」

  

(続く)

 

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