山歩きもなかなか出来ずに
ブログアップが遅くなってます。
「魂の沃野 上・下」(北方謙三、きたがたけんぞう)
もともと北方はハードボイルド小説家だった。
その彼が歴史小説を書くために日本史を概観してみて、気になったのが
前者は「武王の門」として作品化したが、後者を描いたものがこの小説だ。
1470年代半ばから1488年までの加賀の国を舞台にしている。
加賀一向一揆というのは、圧政に対抗した一向宗徒により守護の富樫政親が
殺害されてしまう事件だ。
架空の人物だが地侍の風谷小十郎が主人公である。
徳川家康を天下人へと押し上げたのは家臣の三河武士たちだった。
中でも本多忠勝、酒井忠次、榊原康政、井伊直政は徳川四天王と呼ばれ、
とくに家康の関東移封の時期までは、徳川家の柱石として戦いの場で活躍した。
この小説は忠勝を中心として四天王を描いたものだ。
彼らはやがて大名並みに封ぜられるが、天下の形勢が定まってゆくにつれ、
武力を発揮する機会がしだいに減ってゆく。
そして実務派の本多正信・正純父子らに重臣の地位をとって替わられるのである。
これも時代の流れである。
読んでいて四人の性格がよく描写されていると感じた。
あせらずぼちぼち登ることにします。
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