読書感想［第504歩］ - ミントの山歩き日記２

まだまだ雨模様ですね。
梅雨明けしたらオオキツネノカミソリを見に行こうと思います。

＊＊＊最近読んだ本＊＊＊

「ブレイクスルー・トライアル」（伊園旬）
北海道の上川盆地にある侵入困難な研究施設。
ここに一般から公募した数チームが侵入を試みる。
さまざまなチームが集まっていて、中にはなぜか強盗グループも。
『このミステリーが凄い』大賞受賞作品で、確かに面白くはあるが
強い印象は残さなかった。

「突破」（西村健）
前述作品と似たようなタイトルだが、こちらは文句なしに面白かった。
著者は福岡市出身で大牟田市育ち、もと労働省のキャリア官僚という変わり種。
この本では大蔵（現在は財務）官僚の労働実態が詳しく書かれているが
それは彼の経験がもとになっているのだろう。
登場する探偵のハチャメチャさが現実離れしているが
読んでいて痛快である。

「邂逅の森」（熊谷達也）
明治大正の時代に東北や北海道地方で活躍した猟師。かれらはマタギとよばれた。
鉄砲の腕が良いマタギ、松橋富治が主人公である。
彼は地主の一人娘と恋に落ちて、村を追われてしまい
鉱山で働くようになるが、やがてマタギの世界に戻ってゆく。
愛と冒険、山の主とよばれる大熊との死闘。
久しぶりに重量感のある本とめぐりあった。
読まれていない方、お勧めです。