霧島連山の新燃岳(しんもえだけ)の名を始めて知りました。
火山灰で大変のようです。
大きな噴火にならないといいのですが。
ミントの読書歴(その30)
松本清張(まつもとせいちょう、1909-1992)について
トリックを重視する社会派推理小説の作家。
彼の作品は、ミステリーと呼ぶより推理小説と呼ぶほうが自然な感じがする。
北九州の小倉市出身と思っていたが、調べてみて広島市の生まれであることが分かった。
多くの人が傑作に挙げているのは以下の3作品だろうか。
いずれも何度もTV化されている。
「点と線」
「ゼロの焦点」
「砂の器」
「点と線」(1958年)
ミントのなじみのある福岡市東区香椎(かしい)が舞台で興味深かった。
この当時(昭和30年代)は、確か福岡県糟屋郡香椎町だったはず。
香椎の海岸で2人の遺体が発見される。
ただの心中事件かと思われたが、裏に政治的陰謀が隠されていた。
この作品、最近では2007年にビートたけしが主演でTV化されたので
見た人も多かっただろう。
セットだろうが、当時の香椎の町並みが上手に再現されていた。
「砂の器」(1961年)
ハンセン氏病に対する偏見が生む悲劇を描く。
社会派推理小説の傑作である。
1974年の加藤剛・丹波哲郎が主演した映画も良かった。
音楽が非常に効果的だったのを覚えている。
「ゼロの焦点」も含め、作品名のセンスが良いと思う。
それと較べると
○○殺人事件、などという作品名は非常に陳腐に感じてしまう。
彼は時代小説や歴史小説も書いているが
古代史や昭和史の造詣も深い。
これは司馬遼太郎が書かなかった時代である。
「昭和史発掘」(1965年)
昭和史のノンフィクション。
特に二・二六事件を詳述している。
「古代史疑」(1968年)
邪馬台国に関する著者の持論を展開している。
ところで大和説と九州説、いつかは決着がつくのだろうか?
清張の作品はやや重い感じを受けるが
日本の推理小説に一つのジャンルを確立した作家だと思う。
その31へ続く