ミントの人物伝その72〔第660歩〕

イギリスの歴史において大王と称される君主です。


ミントの人物伝(その72)


ルフレッド大王(Alfred the Great、849- 899)
ウェセックス王。



9世紀当時のイギリス。
アングロサクソン人が建てたウェセックス王国
東部のデーン人(ヴァイキング)から攻撃を受けていた。

865年、エゼルレッド王が即位するとともに、アルフレッドは副将となる。
867年、王とともに出陣し、初陣を飾る。

871年、アッシュダウンの戦いでエゼルレッド王が死去。
賢人会の決定によりアルフレッドが即位する。

ルフレッドはデーン人に対抗すべく海軍を創設。
デーン人のヴァイキング船を参考とした軍艦を建造させる。
また兵役の交代制を導入するなどの軍政改革を進めた。


875年にウェセックス勢が初めて海戦で勝利を収める

878年、エディントンの戦いでデーン勢を破り
奪われていた国土を奪還することに成功。
このときアルフレッドは自ら先頭に立ち敵に攻め入ったという。

同年の和議で平和条約を締結し、デーン人の勢力範囲を
イングランド東北部のデーンロウにとどめることに成功する。

886年にはついにロンドンを掌握。


ルフレッドはデーンロウを除くイングランドのほぼ全域を支配し
アングロ・サクソン人の王となったのである。


さてアルフレッド大王にはこんな逸話がある。
ー今回書きたかったのは実はこの部分ー

あるときアルフレッドがデーン人との戦いに疲れて休息をとりたいと思った。
一軒の民家を見つけたので身分を隠し、そこの奥さんに休ませてくれと頼んだ。

「いいともさ。それじゃわたしの代わりにかまどの火を見ていておくれ。
けっしてパンを焦がしてはいけないよ」

「わかった。まかせてくれ」

だが、戦いに疲れていたアルフレッド、ついまどろんでしてしまい
パンを焦がしてしまう!

さあ奥さんはカンカン。
しょぼんとしたアルフレッドをほうきで叩いて叱りつけた。
「頼んだことも出来ないのかい、この男は。さっさと出ていきな!」

そこにやってきたアルフレッドの家来。
「おい待て、このお方が誰か分かっているのか?
王様だぞ」

驚き、許しを請う奥さんに、アルフレッドは言った。
「気にしないでいい、私が悪かったのだ」と。


ドラマ『水戸黄門』に出てきそうなシーンですね。


晩年のアルフレッドは、イングランドの復興をはかるべく
教育や学芸振興に力を注ぎ、自らもラテン古典の英訳に携わった。
また、アルフレッド法典と呼ばれる法典の編纂を行ない、
それに伴って裁判制度の改革を行ったので、国の治安はよく守られたという。


ルフレッドの子供の時代にデーンロウが支配下に置かれ
やがてウェセックス王国イングランド王国へと変貌を遂げてゆくこととなります。



(参考文献)
Wikipedia
画像はWikipedia、Web から借用いたしました。



[平成27年の記録]
 http://d.hatena.ne.jp/mint0606/20151231


[平成26年の記録]
 http://d.hatena.ne.jp/mint0606/20141231


[平成25年の記録]
 http://d.hatena.ne.jp/mint0606/20131231


[平成24年の記録]
 http://d.hatena.ne.jp/mint0606/20121230


[平成23年の記録]
 http://d.hatena.ne.jp/mint0606/20111231


[平成22年の記録]
 http://d.hatena.ne.jp/mint0606/20111230


[人物伝]
 http://d.hatena.ne.jp/mint0606/20140930


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