*ミントの読書歴その24[第131歩・曇]

図書館で借りたミステリー本の最初のページに
犯人の名前が書いてあったとしたら
それはりっぱな犯罪です。


ミントの読書歴(その24)


綾辻行人(あやつじゆきと、1960-)について


新本格ミステリーの旗手である。
1980年代後半から90年代にかけて、多くの新本格ミステリー作家がデビューしているが
その最初が彼とされている。
15年位前だろうか。
時計館の殺人をバジルさんに薦められ、読んだのがきっかけだった。


ちなみに新本格ミステリーには、(ミントが思うに)以下の3つの要素があると思う。
1.不可解な謎
2.大胆なトリック
3.論理的な謎解き


十角館の殺人
1987年に刊行された館(やかた)シリーズの第1作
この本によって新本格ブームが惹き起こされたといわれている。
九州の孤島で起こる連続殺人事件。
あっと驚く結末が待っている。


館シリーズ
水車館の殺人」(第2作、1988年)
迷路館の殺人」(第3作、1988年)
人形館の殺人」(第4作、1989年)
時計館の殺人」(第5作、1991年)
黒猫館の殺人」(第6作、1992年)
暗黒館の殺人」(第7作、2004年)
 
と続く。


時計館の殺人暗黒館の殺人が特にお薦め。
現在までびっくり館の殺人」(第8作、2006年)が刊行されているが
この第8作はまだ読んでいない。


このほかに
ミステリー「霧越邸殺人事件」
ホラーサスペンス「緋色の囁き(ささやき)」などの囁きシリーズがある。
これらの作品も良いが
彼の中心作品はやはり館シリーズだと思う。


彼の作品は
心理描写が巧みであること
最後の最後で「どんでん返し」があること
これが大きな特徴である。
また、読んでいて、作者にだまされることもしばしば
「どんどん橋、落ちた」を読んだときは、まいった〜と思った。


ミステリーについては作品内容にあまり触れないようにしています。
ご了解下さい。


                          その25へ続く


**最近読んだ本**


「戦国幻想曲」(池波正太郎
戦国時代末期、「槍の勘兵衛」として知られた渡辺勘兵衛
変転の生涯。
特に魅力的とも思えない主人公だが、この作家にかかると
活きいきと描かれるのはさすがである。


三日月山山頂