ミントの人物伝100<序>〔第959歩〕

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美しい娘さんのとなりに座って話しているときは

1時間が1分くらいに感じるでしょう。

ところが熱い石炭のもえがらの上に座ったら

1分が1時間に思えるでしょう。

それが相対性です。  アインシュタイン

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 アルバート・アインシュタイン<序>

 

特殊相対性理論

 

ある日、アルバートはベルン特許局の仲間で友人のアドラー

自宅に招いてこう言った。

「聞いてほしいことがあるんだ。僕はこう思うんだが・・」

 

アルバート(A)

「光は直進しその速度は一定だ。これはいいね。

 じゃあ、時間は?

 絶対にひとつのものと思うかい?」

アドラー(B)

「あたりまえじゃないか。時間は誰にとっても同じもので

 1分は1分だよ」

(A)

「僕の意見は違う。時間は測るものと、測られるものの

 速度の違いによって伸びたり縮んだりするんだ」

(B)

「えっ?」

(A)

「たとえば僕が超高速船に乗って川をゆくとしよう。

 そして君の目の前を通った時に1発目ののろしを上げる。

 僕の時計で正確に1分後に2発目ののろしを上げたとする。

 そのとき君の時計は1分にごくわずかプラスになっているはずだ。

 それはつまり君にとって1分が1分以上になっているわけだ。

 なぜだかわかるかい?」

(B)

「それは船が動いているからだね。プラス分だけ先に

 進んでいるから」

(A)

「その通り!船も君も止まっている場合は両者の時間は一致する。

 ところがだ。

 君と僕の速度が違うと、同じ1分が伸びたり縮んだりするんだ

 時間は絶対のものじゃないんだよ

(B)

「うーん、なるほど」
(A)

「空間についても同様だ。たとえば、君が列車の乗客とする。

 僕がホームに立つ人としよう。

 列車が僕の目の前を通り過ぎたとき、君がハンカチを

    床に落とした。

 そして次の瞬間それを拾い上げたとする。

 列車の中の君は、落としたのと同じ場所で拾ったと

    思っているよね。

 ところが停まって見ている僕にとっては、落とした場所から

 何メートルも離れた位置で拾ったことになる。

 では君がハンカチを拾った正確な位置は一体どちらなんだろう?」

(B)

「それは・・どっちともいえるな」

(A)

「そうなんだ! 位置(空間)もけっしてひとつではない。

 相手の速さで変わってくるんだ

(B)

「すごい!これは大発見だよ!すぐにでも発表するべきだ!」

 

一般相対性理論

 

アインシュタインは仲がいい数学者のオルグ・ピック教授に

質問した。

 

アインシュタイン(A)

「ゲオルグ、僕がリンゴを持ってエレベーターに乗っていたとする。

 突然エレベーターの綱が切れたとして、僕はリンゴを手から放す。

 このリンゴはどうなると思う?」

オルグ(G)

「そりゃ落ちるさ。いやちがう、浮くか。リンゴもエレベーターも

 同じ加速度で落ちるんだからね」

(A)

「そのとおりだよ。では同じエレベーターの中で、今度は光を床と

 平行に発射するとしよう。

 これをエレベーターの外から観察するとどう見える?」

(G)

「光が反対側の壁に着く間にも

   エレベーターはどんどん下がってゆく。

 だから光は放物線を描いて落ちてゆくように見えるはずだ。

 違うかい?」

(A)

「その通り。つまり

 光は無重力状態では直進するが、重力がかかると曲がるんだ!

 (G)

「光が曲がる?世の学者たちは信じないだろうな。

 観測写真でも見れば納得するかもしれないが」

(A)

「観測写真か!それなら僕にいい考えがあるよ」

(G)

「どうするつもりだい?」

(A)

「日食さ」

 

アインシュタインはにっこりと笑ったのだった。 

 

 ー岡田好惠「科学の巨人アインシュタイン」より引用ー

 

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