読書感想[第1,022歩]

まとめて読書感想です。

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「指し手の顔、脳男Ⅱ 上・下」(首藤瓜於、しゅどううりお)

問題作「脳男」の続編である。

ただ前作から7年も経って発刊されていることから

著者はじっくりと構想を練って書いたものと思われる。

感情を持たない怪人の鈴木一郎が前作と同様に出てくるが、

なんといっても、美人の殺人者イブが強烈な存在感を示す。

残虐なシーンも出てくるが、息もつかせぬ物語の展開に目が離せない。

 

「黒書院の六兵衛 上・下」(浅田次郎、あさだじろう)

ときは幕末。

戊辰の合戦が終わり、慶喜が官軍に対し恭順の姿勢を示したころから

この話は始まる。

なぜか江戸城二の丸に籠城する武士が一人。

彼は何者なのか?

そして何を考えてこのような行動をとるのだろうか?

西郷隆盛勝海舟が登場するのは当然だろうが、

福地源一郎(桜痴)が出てくるのは面白かった。

この人物は明治初期に新聞の刊行を手がけた有名人である。

 

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「荒仏師運慶」(梓澤要、あずさわかなめ)

仏師というのは仏像を彫る職人のこと。

そして運慶といえば東大寺南大門の金剛力士像が有名だが、

彼が阿(あ)像を手がけたのでそれは力強い作品となり

吽(うん)像は快慶が担当したのでスマートな感じになったそうである。

熟読すれば仏像について造詣が深くなりそうだな、と思った。

 

「ストロベリーライフ」(荻原浩、おぎわらひろし)

主人公は東京でデザイン事務所を営んでいたが、静岡の父親が倒れたので

急遽、イチゴ農家の手伝いをすることになった。

主人公の悪戦苦闘と家族とのつながりを描く佳作。

 

「バイバイ、ブラックバード」(伊坂幸太郎、いさかこうたろう)

彼の作品の中では少し異色作。

読んだことはないが太宰治「グッド・バイ」のオマージュらしい。

主人公は借金のため「あのバス」で連れ去られる運命になってしまった。

その前につきあっていた5人の恋人たちに別れを告げに行くのだが・・

深刻のようでなんともおかしみがある作品である。 

   

山歩きで何度も一緒だったヨウさんが10月8日に亡くなりました。

ご冥福をお祈りいたします。


 

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